「投資バカ」につける薬
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あなたの資産が食い物にされないために! |
「資産運用」
最近よく言葉だ。
とりわけ団塊の世代の退職マネーは、「資産運用」という言葉で巧みに狙っているハイエナがいる。
本書では、怪しげな金融商品のみならず、銀行や郵便局で扱っている投資信託も危ないとして
警鐘を鳴らしている。
基本は「どうして儲かるのなら、(勧める)あなたがやらないのですか?」という素朴な疑問を
絶えず持つこと、勧める人間がどれだけの利益を得るか把握することを強く主張しています。
1.外貨預金
2.金投資
3.投資信託
4.先物取引
5.生命保険
6.不動産投資
とにかく、いろいろな「資産運用」先があります。
もちろん、それぞれ利点もあるのです。そしてデメリットも。
しいて、私が付け足すならば、著書は株式投資での分散投資を勧めている点についても
反論したい点でしょうか。
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とても勉強になる。やはり投資は自己責任。 |
自分の大事なお金を運用するには、投資対象になる商品の
内容や手数料を、よく理解する必要がある。
この一見当たり前に思われていることが、現実にはそうでないことが
現在流行している投資商品などの実例を挙げて説明されている。
資産運用を考えている人は絶対読んで損ではない本だと思う。
正直に言うと、筆者の議論すべてに賛成かと言うと、そうではない。
でも、それは自分は別の考え方をしているということ。筆者の論が
的外れであるということではない。
ただ、「金融商品は売り手が儲けるために悪意を持って
設計され、販売されている」と感じさせるトーンがあまりに強いのは
気になる。本書のレビューを見ると「薬が効きすぎている」と
感じるものもあります。
読み手も、本書に書いてあることを理解した上で自分なりの考えを
持つべきなのだろうと感じました。
しかし、「個人向け国債と日本株の組み合わせ以上に有利な商品が
どのくらいあるのか」という問いかけには、ハッとさせられました。
読んで良かったと思います。
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難しい言葉の陰に隠された罠 |
株雑誌、投資雑誌に満載の業者広告。
そして勧誘の電話などなど
よくわからないもっともな理屈を並べて
買い手を騙そうとしている人達の手口がわかりやすく
書かれています。
何にも知らないで業者任せにしていたらぼられまくるんだな
っと改めて実感できました
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売る立場の人間がよくぞここまで書いた |
本書がすごいのは、商品を売る立場の著者が「売る側の人間に騙されないように!」という警告を結構まじめに発している点にある。扱っている範囲は広く、説明(警鐘)の内容も良心的かつわかりやすいものである。もっとも、そんなの言われなくても知っているという人も多いだろうが、そういう人にとっても「こういう本もある」と知っておくために読む価値のある本だと思う。この手の本にありがちなライブドア分析も載っているんだけど、僕が読んだ一般向けの本の中で唯一まとな分析(深いわけではない)だった。
総合すると良い本ですが、二つだけ気になった点を挙げておきます。まず、著者は長期投資のリスク低減効果を否定する際に、株価の変動率が定数で近似されるのに対し利益成長が時間の指数関数で近似されることを無視しています(それ以前に何を長期で何を短期と呼んでいるかが曖昧なんだが)。次に、ドルコスト平均の効果を否定する際に、株価の下限が0円であることや「株価は長期(平均)的には企業の価値(生産能力と資産の蓄積)を表す」ということを無視しています。
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投資の「常識」の教科書 |
ファイナンス理論の常識を易しくてほどきしながら、一般投資家の非合理な投資行動や、金融機関販売員のセールストークの非論理性を解説する。
確かに金融機関の勧めるままの投資行動では、いいように手数料を稼がれるだけである。このことをメディアで論理的に解説できる存在は氏くらいものである。
氏の著作は、書籍は勿論、WEB上の連載も勉強になるのでオススメです。