投資銀行―日本に大変化が起こる
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投資銀行の仕事がよくわかった。 |
投資銀行とはこういう仕事をしているのか‥という事がよくわかった。また、制度や業界システムを熟知した者のアドバイスが対価を得られることも良く分かった。
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邦銀が投資銀行になる無理 |
投資銀行は日本の「銀行」とは違い証券会社そのもの。日本の銀行は「投資銀行業務」に経営資源を集中し「手数料収入を増強」する、と、10 年もしくはそれ以上前から念仏のように唱えている。そもそも、商業銀行と投資銀行の違いがわかっているのか? わかっていない人にはこの本を読む価値があると思う。
参考になったのは、プレゼンするなら徹底すること。中途半端に「これはお客様のため」と提案しながら、手数料を物欲しそうにしている姿を見透かされるようでは、看板に泥を塗っているとしか言いようがない。
投資銀行を拝金主義というのであれば、自分たちがしていることは何なのかよく胸に手を当てて考えて欲しい。
本書の内容はきわめて初級編ではあるが、投資銀行の誤解・先入観を解くには良書と思う。特に勘違いしている金融機関従業員にはぜひ読んで欲しい。
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一部の超優良事業会社向け? |
本書は、元外資系の投資銀行(株式や社債等の引受け・販売やM&Aのアドバイザー業務を行う金融機関、日本でいう証券会社)マンが、投資銀行の仕事内容、そして日本の銀行(傘下の証券会社)の仕事の「甘さ」について、語っている。実務家によって書かれた本であることから、証券会社の法人部門に興味がある学生や証券会社にM&Aアドバイザーを依頼する事業会社の担当者にとっては、非常に役立つ本ではないかと思われる。また、「日航の増資」で、問題会社に対し巨額の債権を有する債権者としての利益と投資家のために株式を販売する証券会社としての利益は真っ向から衝突するにも拘わらず、日系の大手銀行傘下の証券会社が引き受け主幹事として引き受けたという事実のとおり、日本の銀行と傘下の証券会社が顧客(その先にいる株主)のことを全く考えていないという指摘も的を得ている。もっとも「時価総額1兆円以外の会社は相手にしない」と記載されているとおり、ほとんどの事業会社は「相手にされない」でしょうし、ディテールの細やかさは日系の大手証券会社にはかなわないような気がするのは私だけでしょうか?本書は鵜呑みにするにはどうかと・・・。
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へーそうだったのか、投資銀行 |
投資銀行って、投資をする銀行(銀行の本来の業務は、市中からお金を
集めて投資してリターンを稼ぎ、利息を払うことだと思っていたから、
なんか変な名前だと思っていた)だと思っていたが、この本を読んで
企業が投資(企業再編や企業買収)を行う祭の知的なサポートをする
銀行なんだとわかりました。
また、ニホンの銀行は、とにかく、くっつけて終わり、という
サポートをするけれども、そうではなく、どのように切り離し
どのようにくっつけると、最大の価値が生まれるのかを、企業と
共に考え行動していく、というのが、ミッションだとわかりました。
その結果、企業は大きな成長(顧客によりよいサービスを提供し
従業員にたくさんお給料を支払い、株主に配当を支払う)
を手に入れ、投資銀行は手数料を稼ぐ。
そうするために、投資銀行は、世界中の企業活動に精通し
効果的な相手を見つける。そのノウハウこそが、収益の源泉。
たんなる拝金主義の金儲けの集団ではないということがわかった。
これからの時代、企業の価値を高めることができない
無能な経営者は、客観的な評価を突きつけられるので、
覚悟を決めて、企業の価値を高めるべく精進してください。
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「違いがわかる!!」 |
ハゲタカファンド?グリーンメーラー?
商業銀行・証券会社とどう違う?コンサルティング会社との違いは?
投資銀行とは外資系銀行の総称?
新聞やニュースで見聞きしていても、「投資銀行」の実際をはっきり
区別できない人が結構多いのではないだろうか?
でも心配ご無用!!本書を読めば(2時間で読める)、
M&Aの本質(企業価値・株主価値を高めるもの)、経営者の資質(上の人に
重宝がられる人ではダメ)、日本の銀行が投資銀行に慣れない理由(顧客思考
より自分達のこと)・・・日頃の疑問が一気に解決!!
KKRが上陸してどの企業をターゲットするか、本格的なM&Aで日本企業
が本来の使命を再認識するか、そして顧客や株主のために価値を創造できない経営者
の退場、今後の動きが注目されるところだ。