ザ・ファンドマネジャー その仕事と投資哲学
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ファンドマネジャーを志す若者へ |
ファンドマネジャーといえば、巨額の資金を個人の裁量で派手に動かすヘッジファンドの運用者を想定するかもしれない。しかし証券市場の資金の多くはそうではない。高度な専門知識や経験、見識を有するプロフェッショナルによってシステマティックに管理、運用されている。本書は、運用の専門家の実際の業務が平易な言葉で語られている。
運用業界に理解を深めたい人、とりわけ将来運用の専門家を目指す若者にはきわめて有益なアドバイスを提供しよう。
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投資・運用業界を目指す学生さんは必読 |
実務経験に基づいて投資・運用業界が詳しく書かれており、この業界を目指している学生には大変有用な書物。
投資の入門的なところから、理論と実践の違い、年金運用の実務、一ファンドマネージャとしての様々な経験談、さらに業界の報酬まで最新のデータが掲載されています。
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『投資教育』の一環としても必読の書 |
筆者依田孝昭さんが指摘されているようにファンドマネージャーという職業はあまり一般的には認識されていない。世間一般の認識とその実際とのギャップを埋め、多くの人に認識してもらうことは一般個人が個人のバランスシート(資産と負債)を自らの判断でmanage していくことに繋がることにもなり、以って『貯蓄から投資へ』という国のマクロ的施策をミクロ的に現実のものにしていくことにも資する。
筆者の指摘通り、投資に必要なのは「自分で考えて意思決定したことを、勇気をもって実行できること」であるし、同時に「旺盛な知的好奇心」や「素直に間違いを認める柔軟性」も必要であろう。
プロのファンドマネージャーとしての素養はプロではない一般個人の投資活動にも本質的にはあてはまる資質であることを考えるとき、筆者の永年の国内外での資産運用業務経験に裏打ちされたこの著書はファンドマネージャーという職業を世の人に知ってもらうためにのみ有用なだけでなく、プロではない多くの潜在的読者個人の健全な投資活動にも必要な資質を著者の意図にかかわらず示唆しているという意味深い稀有な書である。「投資教育」の一環としても是非一読をお勧めしたい。